1.暁 <ルナミ> | Date: |
定位置である船首に腰を下ろし、ルフィは海の果てを見ている。
明けゆく空。
波音の間に間に靴音が響く。
海風に弄られる髪を押さえながらナミはその背に話しかける。
「早いのね」
昨夜は一年最後の締めくくりと、これまでの宴の総決算とばかりの大騒ぎが繰り広げられたのだ。
自分以外の誰もが泥のように眠っていると思っていたのだが。
「今年初めての日の出だからな」
狭い船首の上でルフィは器用にその身を反転させる。
暁を背に受けた少年の、その身体を黄金色の光が縁取る。
口惜しい程に眩しい。
昇る太陽さながらの生気を感じる。陰りを知らずひたすら昇り続ける光。
ナミは目を細めながら笑む。
「綺麗ね・・・・」
「じゃあその内お前にくれてやるよ」
そう言って不敵に笑う少年の、その後ろに沈まぬ太陽が見えた。