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*titled:nyaoサマ



コトリ、と微かだが硬い音で目を覚ました。

いつの間にか寝入っちまったらしい。今が何時かも分からない。

って、やべぇもう朝か!!?
一気に起き上がると薄い毛布が腰までバサリと落ち、夜の匂いのする冷えが肌を刺した。

ガリガリと髪を掻き毟りながら下に落ちてるであろうシャツを手で探る。

・・・・・・ない。
・・・・・・その上、いない。

隣にいるはずのレディが。
改めて部屋を見回せばデスクの上に灯りがついていて、椅子に腰掛けたナミさんが吃驚した顔でこっちを見てる。

「あ・・・あれナミさん? あれ?」

「吃驚した。サンジ君急にバタバタしだすんだもん」

まだ夜よ、クルリと体をこちらに向けてナミさんは済まなそうな顔で微笑む。

「ゴメンね、起こしたか。
夢の中で急に思いついたことがあってね。忘れないうちに書いちゃえーって」

気づかれないうちに戻れると思ったんだけど、とナミさんは机の上に目をやる。
ノートは既に閉じられていて、その傍らに愛用のペンが置かれている。

なるほど、さっきの物音はこれでしたか。

残念、と悪戯を見つかった子供のようにナミさんは笑う。
あぁ、その笑顔に見惚れてて今まで気づかなかったけど。

「どうりでシャツが見つからないと思いましたよ」

「ちょっと借りちゃった」

ダブダブの両袖を軽く上げ、ナミさんは笑いながら立ち上がる。

指先まで隠すほど長い袖が魚の尾のようにヒラヒラと揺れている。
半分程しかボタンを留めていない前は胸の膨らみを際どく、且つ凄絶なまでに色っぽく隠し―
机の灯りに透けて見える細い腰と柔らかそうなヒップ。
そして両腿のあたりで切れた布からは、美味しそうとしか表現し得ない形の良い脚が覗き―

多分もの凄い目で眺めていたのだろう。

「そんなに変な格好? ちゃんと自分の着た方がよかったかな?」

いやとんでもない。
いつでもいついつまでも(俺の前なら)その格好でいて欲しいぐらい。

おいでおいでをしてナミさんを呼び寄せる。

「どうしたの急に?」

「もうね、可愛いなぁと思って。
本当なら俺が飛んでいって抱きしめたかったんだけど」

「何でやめたの?」

「・・・・・・・・・・・・」



サマになりませんから。
毛布があって助かった。

けどさ、あんな格好見せられて反応しなかったら男じゃないでしょう?


一身上の都合により


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