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  Scorpion(下) Date: 2003-09-26 (Fri) 


うつ伏せのまま左右の手首が一点で、強制的に結ばれる。
媒介となったのは、先程サンジが落したネクタイだった。
今や1本となったナミの手首をサンジは片手で抑える。

「サンジ君っ、何する..いやっっ」
ぬるりとした感触が首筋を這い、大きな手が、やや手荒に胸の頂きを摘まむ。
熱い舌先から、冷えた指先から再び毒が注がれる。
首や背中に触れるサンジの髪にすら快感を感じてしまいそうになる。

―もう、手遅れなのかも―
絶望的な気分のまま、ナミは声を振り絞る。

「やめて..サンジ君、お願い...」

毒に侵された震える声。
背中に唇を這わせ続けるサンジの顔は見えない。
それでも、ナミはサンジが微笑んでいることを確信した。
あの、冷たい微笑を。

「・・でも、ナミさん..」
言いながら、サンジは今まで舌を這わせていた背筋を指でなぞる。
たっぷりと塗られた唾液が潤滑剤となって、指先は殆ど無抵抗にナミの背を走る。

「っんっ...んんっ...」
震える声。それを追うようにサンジは、くっと喉の奥で嘲う。

「濡れてるぜ...声も...きっとココも....」
サンジは、スカートの中に無遠慮に手を入れる。
薄い布で隠された窪みを強くなぞると、染み出る愛液がサンジの指先を湿らす。

「ほら、ナミさん...」
優しく語りかけると同時に。
サンジは同じ指を下着の中に潜らせ、窪みに直接挿し込み、引き抜く。

「っんっ...く、あぁぁぁぁぁっっ...」
ぐちゅりという水音と共に、ナミの口から耐えることのできない、歓喜の声があがる。

「すげぇ、濡れてる....」
「...やだ..や...」

熱に浮かされたように繰り返す拒絶の言葉には、もはや説得力はない。
邪魔くせェ、サンジはそうひとりごちると、ナミのスカートの縁に手をかける。
ぎりり、とファスナーが悲鳴をあげるが、サンジは頓着せずに下着共々引きずり下ろす。

「...やだぁっっ」
這って逃げようと揺れるナミの細腰を易々と制し、サンジはその窪みに口付ける。
「ナミさん...すっげぇ、そそる。そのカッコ」
頭上で縛り上げられた手首に、胸が顕わになるところまで捲り上げられた上着。
下半身を覆うものはもはや何もない。

サンジは、でも..と言いながら、ナミの腰の下に腕を回し、引上げる。
ナミに獣の姿勢をとらせながら、自分も同じ姿勢をとり、その上に覆い被さる。
低く嘲うと、殊更に耳に息を拭きかけるようにしながら囁く。


「やらしいな。ナミさん..俺、我慢できなくなっちまいそ..」
「サンジ君..やだ..」

サンジは口だけで嘲うと、体を下方へと移動させる。
「..やだ、じゃないだろ、ナミさん」

突き上げるように浮かせたナミの双丘を優しく撫ぜる。

「あ...」
ナミの躰から力が抜ける一瞬に、サンジの親指が再び秘唇へと挿し入れられる。

「あぁぁぁぁんっっっ..」
サンジがその指を動かす度に、濡れた音と共に、とろとろと愛液が流れ落ちる。
掌に流れ、零れ落ちるほどの夥しい量。

「・・・言って、ナミさん...イイって..」
サンジは中指で液体をすくい、その指を前方へと伸ばす。
「・・・言えたら..」
指先の水気をクリトリスに塗りつけると、ナミの口から嗚咽のような声があがる。
「狂っちまうくらい、ヨクしてやるぜ...」

もて余す程の躰の熱を少しでも追い出そうとするかのように、ナミは荒い呼吸を繰り返す。
全ては無駄だと分かってはいたが。

サンジの指が体内を掻き回すくたび、サンジの指がクリトリスを嬲るたび。
指先から毒が注ぎ込まれる。
吐き出される息が、とうに濡れ、隠し様のない程の熱を帯びていることは誰よりもナミ自身が
分かっている。

「・・・言って、ナミさん...イイって..」

低く低く、空気を震わせる毒。それは切ない懇願のようで。
その実、それは優しい強制だった。

―ヤダ..訳も分からないのに..こんな風に―
そんな考えは、サンジの指が動くたびに蝕まれていく。

―ヤダ..ケド、ケド―


そして―
「くっ...んっ..もう、だめっ...イイっ...イイのっっ」

自分の口から出たはずなのに、ナミの耳にはその言葉はやけに遠くから聞こえてきた。

―毒が...きっと致死量を超えたんだわ―
半ば麻痺したような頭で、ナミはそんなことを考えていた。



ナミの背後で空気が震える気配がする。
サンジが嘲う。汗ばむ金の髪を僅かに揺らして。

「ナミさん..可愛いぜ...」
サンジはナミの双丘に片手を広げる。もう一方の手は秘唇に挿し込んだままだ。
ナミの小ぶりな尻はサンジの大きな掌で包まれる。
広げた指の隙間にキスをし、軽く吸い上げると、

「・・・可愛すぎて、メチャクチャにしちまいそうだぜ、俺...」
サンジは、そう、宣言した。

浅く浅く、秘唇に挿された親指が、ナミの膣口を刺激する。
緩慢なる刺激に慣らされた躰は、本人の意思とは無関係に、より強い刺激を求めて蠢く。
サンジの指の動きに合わせるように、ゆるゆるとナミの腰は動く。
「やらしいな、ナミさん...自分で動いてるぜ..」
背後からの呟き。
「・・・やだ..言わないで..」
「やだ、何て言っちゃダメだぜ、ナミさん...」

サンジはナミの双丘の、その谷間を指で広げる。秘唇以上に秘められたその場所がサンジの眼前に暴かれる。
驚き、息を飲むナミ。一瞬その躰が強張る。

「いやあぁぁぁぁぁっ....」
これまで誰の目にも晒されたことのない場所を。
これまで誰も触れたことのない場所に。
これまで誰からも与えられたことのない感覚が。

サンジは伸ばした舌先を窄めるようにして、ナミの小さな蕾を拭う。
その、ほころびの時を早めようとするかのように。丹念に、丹念に。
舌先から流れ落ちる唾液が蕾をしとどに濡らす。

ぴちゃり。ぴちゃり。
挿し込まれた親指が秘唇で動くたび、舌が蕾に触れるたび、粘り気を帯び始めた水音が2人を包む。

「あ...あぁっ...やっ...うそ、よっ...」

拒絶の言を含みながらも、その声は確実に快感に濡れている。
その声を聞き、サンジはようやく舌を離す。
離れ難く伸びた唾液の糸がふつりと切れる。サンジが口元を歪めたのだ。

「・・ウソじゃねェよ、ナミさん..」
サンジは空いている片手の指を、無造作に、蕾へと突き入れる。
十分に濡らされ、ゆるめられたその場所は易々とサンジの長い指を飲み込んでいく。

「うぅんっ...く..あぁぁぁぁ...」
サンジの指が進むたびに、秘唇はもう一方の親指をぎりぎりと締め上げる。

「ホラ...すげぇ締まるぜ..ちぎられちまいそうだ」
根元まで指を埋め込むと、サンジはゆるゆると指を回し始める。
先程まで固く閉じていた蕾が、サンジの舌と指でほころび始め、いまや、更なる快感を求め開かんとしている。

頃合をうかがっていたサンジがズボンを弛める。
蕾に指を突き入れたまま、前置きも無しで秘唇へと肉茎を突き入れる。

「あぁぁっっ...」

ナミの嬌声は長くは続かなかった。一旦根元まで突き入れられたソレは次の瞬間には引き抜かれていた。
サンジは自身が十分に濡れていることを確認すると、四つん這いのままのナミの後ろから
濡れた肉茎を後ろの孔へと押しつける。

「っつ、だめぇっっ...」
悲痛な声が消える前に、亀頭の姿が消える。

「くっ...や..サンジ君..」
ナミの躰が、オレンジの髪が、細かく震える。

「あ..う...い..痛..や..怖いっ」
引き攣る声と躰。ぱたぱたとソファがナミの涙を弾く。
サンジはそんなナミの背を掌で撫でる。優しく。何度も。


「・・大丈夫...力、抜いて、ナミさん。ね...」
先程とは打って変わったような穏かな口調。
それでも、サンジの腰は進むことをやめない。
ナミの躰は、未体験の恐怖にサンジの侵入を固く拒む。

サンジは困ったような笑みを浮かべると、秘部の前へと指を伸ばす。
ナミの秘部で水気を含まない場所など、もはやない。
ぬめるクリトリスの頂点を指で挟み、軽く力をいれる。

「..あぁぁぁぁぁぁんっ...んっ..く..あぁぅっ !!」
ナミが背を反らせた瞬間、サンジの全てはナミの中へ埋没していた。
「っ...く..すげ...」
異物を排出しようと蠢くナミの体内。その圧力に思わずサンジの口からも声が漏れる。

いつもとは全く異なる場所で繋がったまま、動くことのできない2人。
荒い息遣いと流れる汗だけが、時の流れていることを証明する。

「全部...入ったぜ、ナミさんっ..」
「あ...あ...」

―声..が、出せない―
サンジによって封じられてるのは、口ではない。それどころか、その対極に位置するところである。
分かっていてもナミは言葉を発すること適わず、生まれてはじめての感覚に耐えるだけで精一杯だった。

「動くぜ...」
それだけ言うとサンジはゆっくりと腰を動かす。
気をつけないと一瞬で体外に押し出されてしまいそうで、サンジは慎重にならざるを得ない。
それでも、誰の侵入も許したことの無いその場所から与えられる快感は、予想以上のもので、長く耐えることは不可能に思えた。

「あ..あ...あぁぁっ...」
言葉にならない呻きの中に、僅かに混ざる嬌声。
サンジはそれを見逃さなかった。

「っ..う..ヨクなってきた?... ナミさん? 」
切ない吐息を交えながらサンジは問いかける。返事は無い。
律動を強めつつ、サンジは秘唇へも指を埋める。ますます熱く、濡れ蠢く膣内を掻き回す。

「あぁぁぁぁぅっ...あぁんっ..」
ナミの口から零れる声。それは明らかに嬌声で。
サンジは挿し込む指を2本に増やすと、腸壁側へ押しつける。

「っ..ほら、ナミさん..分かるだろ...」
サンジはナミの体内の薄衣ごしに自身の肉茎に触れている。

―分かる..分かるけど..知らない..何で..こんなことをされて―
サンジが動くたびに、膣内の指も襞の上を移動する。奥へ。手前へ。

―毒が..まわりきった躰は..もう、死ぬしか―
「あ..サンジ、君...イイっ..イイのっ..」
ようやくナミの口から出た言葉は、浅ましい欲望を訴える言葉だった。
背を反らし、腰を震わせ、より深い快楽を求め、唸る。

サンジはそんなナミの腰を引き寄せ、大きく揺すり、回す。
「あぁぁぁぁっ...スゴいっ..私、も..う..死ん、じゃうっ...」
膣内を蠢く指はいまや3本となっている。

「いいぜ..イって、ナミさん..イかせてやるよ..」
触手のようにそれぞれが内壁を掻き回す。
その後ろは、これまで感じたことがない程熱い。

「あぁうっ..もう..だめっ..だめぇっっっ...」

ナミの膣内が急激に狭まる。その収縮につられるかのように、後部の孔内もきつくサンジを食い締める。


「あ..くっ..イク、ぜっ、ナミ、さんっ..このままで..くっ..」
これまで不可侵であった場所に、熱い液体が注ぎ込まれる。
そして、そこでナミの意識は途切れた。



ぐったりとうつ伏せに崩れたナミを、サンジは仰向けに寝かせ直す。
ズボンを上げ毛布拾うと、ナミの乱れた肢体を隠す。

「何やってんだよ、俺ァ」
汗で張りつく髪をかきあげると、手首を拘束していたネクタイを外し、うっ血している部分を揉みほぐす。

「ごめんな、ナミさん..」
そっと立ち去ろうとしたサンジのズボンが引っ張られる。
「謝るより、訳を聞かせてよ...」



「..あーもー、何かなんてある分けないじゃない..」
サンジの話を聞き終えると、ナミは大きな溜息をついた。

―お互いにそんな寝言言ったんだったら、誤解されるかもしれないケド―
そして、ナミは続ける。

「夕食の後、冷蔵庫見てないのね...」
突然変わった話題に、今度はサンジの方が訳が分からないといった顔をする。
そんなサンジに構わず、ナミは、じゃあ、と今回の件についての沙汰を言い渡そうとする。
捨てられる直前の子犬のような目をするサンジ。
その様を見て、思わずナミは噴き出す。

「仕方ないわ、今回だけ特別に許したげる」
安堵の表情を浮かべるサンジに、ただーし、とナミは続ける。

「2度とあんなコトしたら、タダじゃおかないからっ」
「え...と、ちなみに、タダじゃおかないってのは?」
「同じ目にあわせる」

びくり、と後づさるサンジ。その足はさりげなく階段へ向かっている。
毛布を巻きつけたナミが、後を追う。

「何なら、これからヤったげようか?」
ナミは、にーっこりと微笑みかける。
ナミは、二つ折りにしたネクタイの両端を胸の前で何度も引っ張っている。
その度に、鞭のようにしなるネクタイはパチンパチンと乾いた音をたてる。

「う..あ..俺、冷蔵庫見てきます..ので..これで..」
そろそろと逃げ出そうとしているサンジの首にふわりとネクタイが絡み付き、引っ張られる。
至近距離にナミの顔。

「あら、お兄サン..遊んでかないの?」
艶やかに微笑む口元。反対にその目は笑っていない。

「き、今日は..もう結構ですっ..」
脱兎も驚く程の速さで半裸のまま女部屋を後にするサンジ。余程怖かったのだろう。


数十秒後、全開になった冷蔵庫の扉の前でへたり込むサンジ。
「な..な...無いっ...あれだけ計算して買いこんだ食材が・・・・」

サンジの脳裏に昨夜の状況が蘇る。
キッチンの物音と、ナミとルフィの怒鳴り声。
ルフィの謝罪。
ルフィの寝言・ナミの寝言。

その瞬間、サンジを悩ませ続けた全ての点が、線で結ばれた。


「ちっくしょーっ !! あんの、クソゴムっっっ」

中途半端に絡み付いているネクタイを毟り取り、握り締める。

「ロクでもねぇコトしやがった上に、余計なコト言いやがって、クソったれっ !! 」


憤懣やるかたないといった感じで、サンジは、どかどかとキッチンを後にする。
そして、迷うことなく男部屋へ向かう。
今度はルフィを縛り付ける為に...




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