+裏書庫+
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PRISONER 〜ゾロ |
Date: 2003-09-26 (Fri) |
「ちょっと、冗談やめてよっ」
ナミはゾロの下から逃れようと暴れるがゾロはびくともしない。
一瞬のうちに両の手首をゾロの大きな手に拘束されてしまう。
ナミはきっと、ゾロを睨むが逆にゾロの眼光に射すくめられてしまう。
兇悪な光を宿した瞳、海賊狩りの目つきだ。
―こいつ...ホンキなの―
目を見開くナミに、今度はゾロが冷然と言い放つ。
「言い出したのはてめぇだ、ナミ、俺をなめるなよ」
ナミは抜け出そうと腕に力を込めるが、逆にゾロに力を入れられ手首をぎりぎりと締め上げられてしまう。
「やっ...イタっ...」
小さな悲鳴をあげるナミを気にもせず、ゾロは無造作にナミの襟口に片手をかけると、表情を変えることなく乱暴に引き裂く。
白い裸体が月と風に晒される
「――――!!」
目を見開くナミから手を離すとゾロは、身を起こす。
あぐらをかいて座りなおすと怒ったような口調でナミに言う。
「てめぇ、男、甘く見てると次はホントに怖い目見るぜ」
―こんな目ならいままで何回もあってるわ、けど..私はさっきの夢の方が...怖かった―
赤い跡の残る手首を擦りながらナミはゾロに問いかける。
「あんた...怖いものとかないの?」
「てめぇは今日は何を怖がってたんだ?」
「分かってたの?」
「いや、今お前に聞かれて何となくそう思った」
僅かに躊躇った後にナミは口を開く。
「・・・・・・昔の夢...」
「魔女にしちゃぁ、可愛いもの怖がってんだな」
「あんたは、怖い夢とか見ないの?」
「見たって夢なんかに、人をどうこうできねぇだろ。ヤツが夢にでてきたところで現実のお前に何か悪さする訳でもねぇしな。
夢に人を呪い殺す力でもあるんなら、俺はどんだけ死んでるかわからねぇぜ」
「...あんたらしい答えだわ」
「生きてる人間の方が怖いこと、身にしみて分かったろ?」
ゾロはにやりと笑いナミを見つめる。
―あんたは、強いよ、私はあんたの強さを・・・―
突然、ゾロは意外なことを言い出す。
「ナミ、今の俺の怖いもの教えてやろうか...」
「なによ」
「お前だよ...」
言葉をなくし、目を丸くするナミを見て、ゾロはくっくっと肩を揺らして笑う。
「ちゃんと前しめてろよ。今度はホントに襲っちまうぜ...ってめぇ、何..」
今度はゾロが絶句する。
―自らが切望するものを―
ぱさり...半ば引き千切られた上着をおとす。
―無自覚に持つ者を知った時―
ぱさり...スカートをおとす。
―人はその者を敬愛するか、憎悪するかどちらかだという―
ぱさり...手にした下着をおとす。
―私はどちらなのだろう―
一糸纏わぬ姿となったナミはゆっくりとゾロに近づいてくる。
―こうすれば、答えはでるのかしら―
遮るもののない月の光が冴え冴えとナミの肢体を照らす。
月光を吸いこんだような白い肌、今宵の月のように滑らかな体の線。
座ったまま身動き一つできないでいるゾロの前に立つと、ナミは挑むようにその目を見つめる。
「やっぱり、女寝かしつける自信ない?」
「てめぇ...今度は冗談じゃすまねぇぞ」
「冗談で済ます気?」
「よく言った、覚悟しろよ...ナミ...」
ゾロはシャツを脱ぐと自分の足の間に敷き、ナミの体を引き寄せる。
かくん、とナミの膝が折れ、ようやく2人の視線の高さが等しくなる。
挑むように、睨むようにお互いを見つめる2人。
先に動いたのはどちらか、次の瞬間には2人の唇は重ねられていた。
噛みつくようにキスをしかけるナミを、貪るようにゾロは味わう。
「ふっ....うぅん...んっ...」
ナミの口の中で暴れるゾロの舌。それは、ナミに唾液を嚥下する暇すら与えない。
ぽたり、ぽたり、とそれはナミの口元から顎をつたい、ゾロのシャツに吸いこまれていく。
とゾロはナミの両脇に自分の手を差し込み、軽々と持ち上げると膝で立たせる。片手でナミの体を支え、残りの手で豊かな膨らみに触れると強く上下に揺さぶる。
「あっ....イタっ...」
わずかに眉を顰めるナミをちらりと見上げるとゾロは、硬くしこる乳首に口付ける。
「あっ...あぁぁあんっ...」
乳房に感じるわずかな痛みが、乳首からの快感を倍増させる。
ゾロは一旦吸いつきを解くが、次には犬歯で乳首をあまく噛む。
かりかり、と引っ掻くように頂点へ刺激を与え続ける。
いつまでも続く甘い痛みにナミの頭は痺れ、体は絶頂を兆して細かく震える。
「んんんっ...くぅっ..もっ、もうっ...」
と、ゾロはナミの体から一切手を引く。
ナミの体は、糸の切れた操り人形のようにくたりとゾロの逞しい胸の中におさまる。
「やっ..ゾロ、ど..して..」
手の届きそうだった絶頂を取り上げられ、ナミは潤んだ瞳でゾロを見上げる。
「まだだ、ナミ。まだ寝かせてやれねぇよ」
人の悪い笑みを浮かべると、ぐったりするナミの体を横たえ、その足を大きく広げる。
ごつごつとしたゾロの指が淡い茂みをかきわけ、水源を探りあてる。
ぴちゃぁ・・・
その瞬間、波の音よりも大きく、淫らな音が響く。
「っあぁぁぁぁっ....」
後に続くのはナミの甘やかな喘ぎ声。ゾ
ロはナミの内部を全て掻き出すかのような勢いで指を抜き差しする。
「あぁ...ゾロっ...もっと、もっと..来てっ...」
ナミの懇願を証明するように、ナミの内部はゾロの指を更に奥まで導こうと蠢く。
自分を見つめる切ない眼差しと、自分を求める甘い声、熱く濡れる妖艶な躰にゾロの余裕も理性も吹き飛ぶ。
下半身の戒めをとくと、襲いかかるようにナミに覆い被さる。
「あうっ...んあぁぁぁぁぁっ...」
「っあっ...くっ...」
ゾロの太い幹がナミを貫いた瞬間、両者から思いを同じくする声が漏れる。
ゾロはまるで犯しているかのように、ナミの両腕を押さえつけて抽送を繰りかえす。
「ナミっ...」
「あぁっ...な、何.?...」
子宮ごと持っていかれそうな程のゾロの動き。
互いに喘ぐ息の中、なんとか言葉を搾り出す。
「っ...泣きてぇなら..今、泣け..」
その瞬間、ナミの心の中からポトリと何かが落ちた。
実際に落ちたのは涙なのだが...一粒の涙が次々と涙を呼び寄せる。
ポトリ..ポトリ...
それを見たゾロはナミの背に片手をまわすと、繋がったままナミを起こし、自分の上に乗せる。
その動きで、ナミは更に奥までゾロに貫かれる。
「っはぁ...あぁぁぁぁっ..ゾロっ..ゾロッッ..」
ゾロは必死で自分を呼ぶナミをきつく抱きしめる。
「うわぁぁぁぁぁ...あぁぁんっ...」
ナミの涙が、ゾロの胸を濡らす。それは何故かゾロの傷に酷く沁みた。
ゾロが再び律動を開始すると、間もなくナミの奥の奥が震えだす。
「っうぅぅぅん...ゾロっ...イキ、そ..う..」
ナミは再びの絶頂の予感を目の前で激しく動く男に伝える。
「もうちょっと、我慢しろっ..ナミっ」
熱い息をナミに吹きかけながらゾロは、ナミの締め付けに耐える。
律動を続けながら、目の前で揺れる乳房を咥え、更に茂みの中の肉芽を指で挟みこむ。
身を捩って逃げようとするナミを、ゾロの鍛え上げられた肉体は許さない。
「ダメェ、ダメダメッ...イクッ..イク、イクーッ....」
「っは...ナミ、イ、くぞ...ナミっ..」
ナミの体が倒れこむ瞬間、ゾロは自身を抜くと、絶頂の証をふりまく。
気を失ったナミを肩に抱え、ゾロは階下へ降りると、女部屋のソファへ横たえる。
穏やかに眠るその顔は、ついさっきまで自分の中で悶えていた女と同一人物だとは到底思えない。
「望み通りにしたぜ..これで良かったのか、これが正しいのかは分からねぇがな..」
少し迷った後ゾロは、ナミの額に軽く口付け、安らかな眠りを願う。
「もう悪い夢見んじゃねぇぞ」
―がらにもねぇこと、するもんじゃねぇな―
誰が見ている訳でもないのに何となく気恥ずかしくなり、慌ててナミの部屋を出る。
静まり返った見張り台に戻り、床に落ちていたシャツと酒瓶を手に取る。
―俺のほうは眠れそうもねぇか―
シャツを着ると、ナミの残した染みと香りが甘くゾロを包む。
―朝まで、切ねぇ思いしそうだな―
苦い笑いと苦い思い。
それらを酒と共に飲みこむと、空になった瓶を月に向けて放り投げた。
終
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