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  One Night Show(下) Date: 2005-12-28 
scene4...指遣い


ちゃぷ・・・・
ナミの中に突き入れたままの瓶を、ゾロは軽く引き寄せる。
滑らかで、それでいて硬い瓶の口で上部の敏感な箇所を擦られ、ナミは堪らずに腰を浮かせる。
黒の髪をはらはらと落としながら、目の前で妖しく揺らめく腰を、ゾロは熱を帯びた瞳で見つめていた。

よほど感じているのだろう。少しでも力を緩めれば、瓶はナミの身体から押し出されてしまう。
「あぁ・・・・・」
惜しむような溜息が漏れ、ナミの中から、ずるりと細い瓶の首が姿を現した。。
女が体内から異物を吐き出していくその様はどこか背徳的で、そしてどこまでもいやらしく、男の目を釘付けにする。中の締まり具合を想像し、ゾロは知らず生唾を飲み込んだ。
「く、うぅぅん・・・」
切なげに喉を鳴らし、ナミはすっかり瓶を吐き出した。それまではナミと分け合っていた瓶の重みがゾロの手に戻る。
ゾロは手元の瓶に視線を移す。瓶の口から下、ナミの体液がねっとりと絡んで光るその表面にゾロは舌を這わせた。それから、瓶に口をつけ、残りの酒を一気にあおった。
アルコールに混じるナミの匂い、そして味は、一瞬でゾロを酔わせた。

空になった瓶を床に転がすと、ナミがゆっくりとその身を起こした。
目隠しの下の頬には、幾筋かの髪が乱れて張りついている。その姿は凄絶なまでに美しかった。
「あ、ぁ」
快楽の余韻が身体を苛むのか、ナミは揃った前髪の下で眉を顰めて身を捩らせる。
何の前触れもなく、ゾロは黒の下着に手を伸ばした。股の部分を掴み、秘部に擦りつけるようにして持ち上げた。
「きゃ、あぁぁんっ!!」
テーブルに両手をつき、ナミは悲鳴を上げて背を反らした。
「べとべとじゃねェかよ」
ゾロは薄く笑い、下着を摘んでいた手を離す。その衝撃に、ナミはもう一度鳴いた。
「んなモンはいてたって仕方ねャだろ?・・・・・・脱げよ」
薄明かりの中に響くその低い声に、ナミの手は従順に従う。貪欲な肉体が更なる快楽を欲するが故に。
細い指が、黒い布にかかる。形のよい尻を片方ずつ浮かせ、ナミは下着を剥いだ。
身に残されたものはガーターとストッキングのみ。濡れてくしゃくしゃになった下着が左の腿にかかっている。
ゾロが自分のどこを見ているのかは分からなかったが、ナミは反射的に両の足を閉じた。
直後、ゾロの手がナミの腿にかかった下着に伸びた。
強い力で横に引かれ、ナミの足は否応もなく広げられる。
「あ、や・・・・」
「恥ずかしがるこたァねェだろう? てめェは俺のモンだろうが」
秘部を隠したナミの両手をゾロは引き剥がし、テーブルに縫いとめる。
濡れて張りつく淡い恥毛と、その下に息づく淫らな唇がテーブル上の灯りに照らし出された。

ゾロは押さえつけていたナミの手首からそっと手を離す。ナミは顔を逸らせはしたものの、その両手はテーブルの上から動かなかった。
ゾロの指はナミの淫唇へ向かう。今まで瓶を咥え込んでいた箇所に触れると、くちゅりという水音と共にナミは身体を強張らせた。
体液を救い上げた指で、ゾロは閉じた唇を割っていく。滑る指先が、未だ鋭敏なままのクリトリスに触れた。
「っ!!!」
ナミの身体は瞬間、歓喜に沸いたが、ゾロの指はそこに留まることなく離れていった。
「や、・・・・まだ」
引き止めようと思わず伸ばしたナミの指に、ゾロは自分の指先を塗りつけた。
指先にどろりとした液体が絡みつく。それが自分の中から生まれたものだと理解した瞬間、ナミの身体は羞恥とそして興奮に燃えた。
見えない目の前で、ナミはその指を広げる。指の合間を透明な糸が結んだ。
その手をゾロが掴み、引き下ろしていく。ナミの股の間でゾロはその手を止めるとナミの指を取り、秘唇の内側へと潜らせる。
「っ!!」
小さく息を飲み、ナミは手を止める。
「『まだ』足りねェんだろう?」
嬲るような口調と、続く低い笑い声がナミを耳から犯していく。
「てめェでヤってみせろよ」
突き放すようにそう言ってゾロはナミの指から手を離した。

僅かの間の静寂。その後、まるで何かに操られたかのようにナミの指が弾けた。その一瞬でナミの中の箍が外れた。
細い指が身体の中に消えていく。ゾロの目の前でその指は溢れる蜜を掻き分け、絶え間なく蠢く。
「ああ、ん、はぁ・・・」
徐々に艶を増し、高まる嬌声。それと共にナミは無意識のうちにその足を大きく開いていく。
くちゃくちゃといやらしい音がたつのにも構わず、ナミは自らの中を掻き回す。
それが一本から二本に増えるのに、さして時間はかからなかった。
繊細に動く指先は、時にゾロの与える愛撫以上の激しさを見せつける。
「エロイ指してやがる」
苦笑交じりのゾロの言葉に、ナミは僅かに微笑んだように見えた。
「もっとよく見せろよ。どうなってんのか教えてやる」
ゾロの言葉に、ナミは空いていた左手をそろそろと動かす。濡れた恥毛を撫ぜたその手は、柔らかな左右の唇をゆっくりと押し開いた。
ぐっしょりと濡れて光る襞と、二本の指が埋め込まれた孔、そしてぷくりと膨れたクリトリス。秘された全てがゾロの前に晒された。

ゾロは思わず息を飲む。
ナミはペロリと唇を舐め、再び指を自らの中に送り始めた。
ゾロの見ている前で、二本の指が交互に出入りする。
やがて浅い刺激では物足りなくなったのか、ナミは指二本を沈めたまま、指先で中の壁を擦り始めた。
「おい、二本とも根元まで入っちまってるぜ」
からからに乾いた唇を舐め、ゾロは言った。
「もう一本入れてみろよ」
「も・・・無理」
「無理じゃねェ」
ふるふると首を振るナミに、ゾロはいっそ優しいほどの声音で低く囁く。
「無理じゃねェだろ?」
ナミは吐息を零しながら指を取り出し、それから三本の指を束ねてゆっくりと潜り込ませていく。
「あ・・・あぁ・・・・」
広げられていく感覚にナミは震えた。それはゾロも同じであった。
溢れた愛液は秘唇の端を伝い、尻の方にまで流れた。そこにゾロが手を伸ばし、滴る液を手のひらで拭う。
前をあけたままのズボンの中では、びりびりと痛みを感じるまでにペニスが猛り狂っていた。

解放したペニスをナミの愛液で濡らした手のひらで擦れば、目が眩むほどの快感が走った。
濡らす必要もなかったな。
先端に、既に透明な液が溜まっているのを目にし、ゾロは苦笑した。
女の身体に入り込んだ三本の指は、まるで未知の生き物のような動きで持ち主の身体を責めていく。
この世で最も隠微なショーを目の前に、ペニスを扱く手は知らずスピードを増していく。
「っ、く」
ゾロが苦しげについた息を耳にし、ナミは小首を傾げた。
「何、してるの?」
指を止めぬまま、ナミは掠れ声で尋ねる。
「てめェで、抜いてる」
「あたし、で・・・?」
あぁ、とゾロは答える。
「堪んねェ」
あまりにも切なげなその声に、ナミの身体は激しく反応した。下腹部がじんと痺れる。それは、どんなに指を伸ばしても届かない場所だった。
「いっぺん出しちまう、ぞ」
「・・・・駄目!!」
ナミは強く首を振り、一気に指を引き抜いた。
露を吐きながらひくひくと蠢く入口をゾロの前に晒してナミは囁く。
「出すんなら、あたしの中、で」



scene5...腰遣い


「中出しありかよ」
ゾロは立ち上がると、ナミの腰に両手を伸ばす。
細い指の合間で、濡れたとば口はひくりと動き、淫らな汁を垂れ流している。
腰を掴んだ手を引き寄せれば、そこはテーブルの端、剥き出しのペニスのほんの間際にまで近づいた。
「随分サービスがいいじゃねェか、」
笑い含みの声で囁きながら、ゾロは自身の角度をナミの入口に合わせる。
「なァ」
嬲るような最後の一言で、ゾロは一気にナミの中を貫いた。
ほっそりとした両の腿が引き攣る。跳ねるように腰が浮き、テーブルがガタリと大きな音をたてた。
「――――――――――!!?」
言葉にならない悲鳴を上げ、ナミの身体は一瞬で弾けた。
「っ、・・・・・ふぅ」
一つ息を吐くと、ゾロもまた強張らせた肩から力を抜く。瞬間的にきつく締まったナミの中もゆるゆると溶けていった。
「おい」
「う・・・ん・・・・」
弛緩したナミの身体を軽く揺すれば、半ば開いた唇が微かに動いた。
「一発でイっちまったか?」
低く笑いながらゾロは腰を引く。そして柔らかな無数の襞で撫で付けられる感覚にゾロは密かに背を粟立たせた。
すっかり抜けてしまう前にゾロは一度動きを止める。濡れた表面が灯りに照らし出され、淫猥な姿を顕わにする。
亀頭を埋め込んだままの秘部を軽く撫ぜ、ゾロは両の親指で厚ぼったいその唇を暴く。
てらてらと濡れて光るそこに、ゾロはゆっくりとした動きで再び腰を送り始めた。
くちゅり、と音をたててペニスは飲み込まれ、僅かな隙間から愛液が滲み出てくる。
ゾロが腰を押しつけるにつれ、その入口が徐々に広がっていくのが分かった。
熱く溶けた中の感触を楽しむように、ゾロは深い位置で幾度も腰を揺すった。
「あ・・・・あ・・・」
未だ身体に力が入らないらしく、ナミは両手を投げ出して横たわったままで吐息を漏らした。
乱れ髪に白い裸体がよく映える。
濡れた恥毛を軽く撫ぜれば、どくり、と再びナミの中が脈を打ち始めた。
「また感じてきやがったのかよ?」
苦笑を浮かべ、ゾロはナミの手を掴み引き起こす。そうして、繋がったままの身体を抱え上げた。
「あぁっ!」
深く沈む身体に、ナミが大きく喘いだ。
ゾロはナミを乗せたまま、ベンチに腰を下ろした。
向かい合うのは、瞳を隠した長い黒髪の女。
美しく淫蕩で、娼婦としては最高の女だと思う。
そんな女を相手に、身体は確かに感じている。びりびりとした快感は絶えずこの身を包んでいる。
けれども、どうしてか射精まで至らない。
最初は、先程、自慰で迎えた射精感を一度やり過ごしたからかと思っていたが、どうやら違うらしい。

「おい」
自分の肩口に額をつけて、荒い息を吐く女にゾロは声をかけた。
「途中で悪ィが交代してくれ」
「え?」
「俺の好みは――――」
目隠しをしたまま上げた顔に、ゾロは手を伸ばす。
「キツイ目をした」
瞳を覆っていた手ぬぐいを剥ぎ、黒髪の中に手を入れた。
「オレンジの髪の女だからよ」
長い黒髪が音をたてて落ち、見慣れた色の髪が現れる。
驚いたような目がゾロを見上げた。
「ゾロ・・・」
「やっと呼びやがったな」
ニヤと笑い、ゾロはナミに口づけた。
唇を重ねたままで身体を揺すれば、ナミはくもぐった声を漏らす。
濡れた薄い恥毛の中を指で探る。繋がった場所のすぐ上、刺激されるのを待ち望んで膨らむ突起をゾロは指の腹で捻った。
「んぁっ!!」
ナミは背を反らし、大きく喘ぐ。絡み合っていた舌が離れ、その合間から生まれた滴がナミの胸に落ちた。
「あ・・・・あぁ・・・・・」
陶然と目を細めながら、ナミは自ら腰を摺り寄せてくる。
ゾロの指の柔らかな部分、そして節くれだった硬い部分の両方を味わうべく、角度や高さを変えて何度も突起を擦りつけた。
「ど・・・しよ」
益々荒くなっていく息の中、熱に浮かされるようにナミが囁く。
「どうした?」
そう言ってゾロが強く腰を引き寄せれば、両肩にかかった細い指が小刻みに震える。
今にも崩れてしまいそうなほど切なげな瞳が、ゾロの情欲に火をつける。
目を見れば分かる。
ゾロは、二つの身体に挟まれた指の先を動かした。二本の指で摘むようにして突起を擦りあげる。
仰け反るオレンジの頭をゾロは引き寄せた。
ナミの内側はどろどろに溶けながら締め付けてくる。
「前言撤回は、なし・・・だからな」
こみ上げてくる射精感にゾロは呻いた。
素のままのナミは、こんな風にいともあっさりと自分を追い詰める。
ここで身体を引き剥がし、外に出すほどの余裕は最早ないことをゾロは自覚していた。
熱い息の中、ゾロは苦い笑いを浮かべて手の中で震えている女を見つめた。
自分の身体はもうすっかりナミを記憶してしまっている。
他の女をネタに抜くことはできても、どうやら他の女でイクことは出来ないようだ。
「出、すぞっ」
歯を食いしばりながら、ゾロは慌しくナミの芽を摘む。
その瞬間、激しくわなないたナミの体内にゾロは幾度も熱い飛沫を放った。

ぐったりともたれ掛かるナミを支えながら、ゾロは大きく息を吐いた。
合わせた肌が互いの鼓動で揺れているような感じさえした。その動悸が収まった頃、ナミがゾロの胸に顎をつけるようにして見上げてきた。からかうようなその瞳はいつものナミのものだった。
「あたしはお気に召さなかった? お兄さん」
わざとらしく悲しげな顔を作ってみせるナミを前に、ゾロはぐっと息を詰まらせる。
「・・・・同じこと二度も言わすんじゃねェよ」
そう言ってゾロは気恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「なら残念だけど今夜限りで娼婦は廃業ね」
くすくすと笑いながら、ナミはガーターに挟んでいたベリー札を抜いて手元で広げ、宙に放った。
ひらひらと札が舞い落ちる中でナミはゾロの首に手を回す。
「じゃあ、こっから先はプライベートで」
そう言ってナミは笑いながらゾロに口づけをした。






"遣いで5題":配布元 kotonoha hihoukan 様

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