+裏書庫+
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スクリュー(下) |
Date: 2003-09-26 (Fri) |
「あんたを、私にくれるの?」
ルフィは笑う。
「俺が、お前を貰うんだ」
「・・・・・それってどこか違うの?」
「うーーん、違わねぇ・・・・のかなぁ?」
と首を捻って悩む。
さっきまでの緊張感はどこへやら、その様が可笑しくてナミは思わず吹き出す。
くすくすと笑い続けるナミを見てルフィは口を尖らせる。
「そんなに笑うなよなー」
「ゴメン、ゴメン」
「もう、笑わねぇか?」
「うん」
笑顔のままナミは答える。
「じゃ、やるか?」
「うんっ・・・・・・・・・・・!?」
大きく頷いたまま、ナミはピタリと動きを止める。
「おっしゃ!」
ルフィは嬉しそうに指を鳴らす。
ナミは湯の中を見つめたままでやけに響くその音を聞いた。
すっくと立ち上がったルフィはご機嫌でズボンに手をかけている。
「き・・・・・き・・・・」
「どうしたナミ」
蹴飛ばすようにズボンを剥がすと、俯いたまま言葉の続かないナミに声をかける。
「きたないわよっ、あんたっ!!」
真赤な顔でナミはルフィを睨みつける。
キョトンとした顔でルフィはナミを見、それからニヤリと笑う。
それから身を屈め、その顔を一気にナミの元に近づける。
「もう遅いからな」
思わず後ずさりするナミの身体に、その首に腕を回し、逃げ場を封じる。
「もう決めた、お前を抱く」
何かを言いかけ、開こうとしたナミの唇にルフィは己の唇を押しあてた。
口づけは一瞬の出来事だった。
ただ熱だけを与え、奪う。
あっという間に離れた唇を惜しむ自分にナミは驚き、気づいた。
本当に、もう遅いのだということに。
まわされた腕が欲しい。
間近で見れば思いの他広い、あの胸が欲しい。
少年のひたむきさと、男の危うさをあわせ持つ瞳が。
こくん、と一つ頷いてからナミは身動ぎする。
「じゃ、私先出て部屋で待ってるから―」
「行くなよ」
「ダメ、もうのぼせちゃうもの」
その言葉を聞くと、ルフィは無言のまま湯の中に両手を入れる。
ナミの身体を軽々と引き上げるとバスタブの縁に乗せる。
玉のように流れる滴が白い肌を飾る。
身につけるもの一つなく腰掛けるその姿はまるで人魚のようだった。
我に返り、慌てて身体を隠そうとする両腕をルフィは掴み、引き剥がす。
「やっ、は・・・・・ずかしい―」
身をくねらせる、その様がさっきにも増して艶かしい。
かつては垣間見た白くて滑らかで柔かな女という身体。
自分が見つけた、自分が望んだ女が今は目の前にいる。
一瞬で溜まった唾液をルフィはごくりと飲み下す。
「ちゃんと見てぇんだ。お前のこと」
「・・・・でも―」
羞恥に染まった瞳でナミはルフィを見つめる。
「じゃねぇと、どこに挿れんのか俺よく分からねぇし」
何のてらいもなくそんなことを言うルフィ。
その顔を唖然とナミは見つめる。
「あ、あ、あんた・・・女抱いたことない、の? もしかして」
「何で? 変か?」
ナミの問いかけにルフィは平然と頷く。
「抱きてぇって思う女が今までいなかったんだもんよ」
そう言って笑みを浮かべる。
どうしてこの男は―
それまで強張っていたナミの身体から力が抜ける。
どうしてこの男は、こうもタチが悪いのだろう。
「・・・あんたってその内とんでもないタラシになるような気がするわ」
「?」
首を傾げるルフィの頬をナミは両手で優しく包む。
「私は、その・・・・あんたが初めてじゃないけど・・・・いいの?」
躊躇いがちに問うたナミにルフィは首を捻る。
「何で? 何かまずいことあんのか?」
「別に・・・・まずいことって」
「病気でもあんのか?」
「ないわよっ!!」
ナミはいからせた肩を溜息混じりで落とす。
「・・・いいわ、別にあんたが気にしないんだったら」
「変なヤツ」
笑いながらルフィは頬にあてられた手に自分の手のひらを重ねる。
そのまま、つうと手のひらを滑らせる。
手首を通って二の腕へ。
「けど綺麗だ」
肩に手を置けば、その細さに驚かされる。
力を込めれば折れてしまいそうな程に華奢な鎖骨の窪み。
そんな薄い身体からは考えられない程に豊かな乳房。
ルフィは両手で包むようにその輪郭を辿る。
手のひらに乗るたっぷりとした質感を指先で確認する。
「すげ、柔らかくて気持ちいいな」
ナミはくすぐったそうに鼻を鳴らす。
押せどすぐに弾かれる感触を楽しみながら、ルフィは親指をその先端に滑らす。
どこまでも柔らかい乳房の、そこだけが異質だった。
つう、と指の腹で撫ぜると、ナミは驚いたように息を飲んで身を震わせる。
「どうした? ナミ」
ひと撫でしただけで形を変え始めた先端にルフィは興味を抱いた。
ゆるく立ち上がってきているそこを集中して攻める。
何度も指を擦らせると、そこは完全な形を顕わにする。
ルフィは親指と中指の腹でそれを包み、扱き上げる。
「・・・・ん、あっ・・・・・・やぁ」
ナミの声の艶が増した。
「・・・・ここ、こんなに固くなったぞ」
あぁ、とナミは熱い吐息を漏らす。
「そこ、弄られると堪んない・・・・ここが―」
そう言ってナミは一旦言葉を切り、自らの手を下腹にあてる。
「じんじんして・・・・・凄く切ない―」
ルフィの目線が動く。
秘所を守る淡い恥毛。そこを軽く撫ぜられ、ナミは羞恥に俯く。
ルフィを誘導するような自分の仕種に。しかし、それ以上に膨らむ期待がナミの鼓動を上げる。
ルフィはその場に膝をつく。
バスタブに腰かけたナミの腿に手をかけ、ゆっくりと押し開く。
ナミの中心を目の当たりにして指先が燃えるように熱い。
まだ、閉ざしたままのその唇にルフィは触れる。
しっとりと濡れた恥毛が指先に絡んだ。
「ここも、見るぞ」
「・・・・・・・ん」
いつもより低く熱を帯びた声にナミは小さく応じる。
その途端、ひやりとした感触を秘所に感じ、全てが晒されたことをナミは知った。
ルフィは目を見開いた。
初めて間近でみる女という器官。
話に聞くのとも、雑誌で見るのとも、それは全く違っていた。
花だ―と見た瞬間思った。
薄桃に色づく花。
「触ってもいいか?」
ナミを見上げると真赤な顔で、それでもコクリと頷いた。
ルフィはそろそろと指を秘所に伸ばす。
そこは湯とは別の液体で覆われていた。
表面の薄い襞をなぞりながらルフィは呟く。
「ぬるぬるしてるな・・・・」
「あ、んたの所為よ―」
見上げるルフィの視線にナミは僅かに笑みをみせる。
「あんなに胸を弄られたから・・・・・」
ナミはルフィの手を自らの胸へと導く。
「も一度触ってみて」
ルフィは言われるままに、もはや立ちっぱなしの先端を扱く。
「あぁっ!」
嬌声と共に背を震わせるナミ。そして震えたのはそこだけではなかった。
ルフィの眼前で秘所の奥、ナミの孔がプクリとその口を開き、そして閉じる。
そしてその度毎に新たな蜜を吐きだし続ける。
たらたらと流れる蜜は既にバスタブを濡らし、ゆっくりとした速度で流れ落ちている。
「すげ・・・・」
息を飲むようにルフィはそう呟くと、開いた孔の上に軽く指を這わせる。
とろりと絡みつく蜜。
ルフィはナミを見上げながらゆっくりと指についた蜜を舐める。
その真剣な表情。
キツイ瞳。
少年ぽさを脱ぎ捨てた男の姿がそこにあった。
自分の中がゾロリと蠢くのをナミは感じた。この男が欲しい、と身体が訴えてくる。
「ね、もう私ダメ・・・・・・」
ナミはルフィの腕を引き、立たせる。
下着の中に屹立しているルフィ自身を手で擦る。
根元から先端までを握り締めるように刺激され、ルフィは苦しげに眉根を寄せる。
その顔にも欲情する。
「あんたが欲しくておかしくなりそう―」
ルフィは荒い息の中で苦笑するとナミの頭を撫ぜる。
「俺も、何にもしねぇ内にイっちまいそうだよ」
ルフィはナミを横抱きにするとバスタブの中に横たえる。
ナミは湯の中で泳ぐようにその脚を開いた。
ルフィは下着を取りさると、ナミの待つ湯の中に身体を沈める。
バスタブは狭い。
自然と密着する身体。
ルフィの塊があたった部分が熱い。
ナミはもどかしげにルフィ自身に手を添え、自らの体内に導く。
音もなくルフィの先端がナミの中に消える。
「んっ、・・・んぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「う、あぁっ!」
次の瞬間にはもう全体が飲み込まれていた。
引きずり込まれる、その感覚に震える声を両者があげた。
「っ、あ・・・はぁ」
深く密着した状態で互いに顔を見合わせる。
「もう入っちまったぞ、女はスゲエな」
目を丸くするルフィに呆然とナミは呟く。
「馬鹿・・・・・私だって初めてよ、こんなの」
深く繋がったまま、ルフィは強く腰を揺する。
ジャブジャブと湯が乱暴に掻き回され、バスタブの外へ零れた。
「あぁっ・・・ダメ、ルフィっ! そこキツ、イっ!!」
ルフィの脳裏に先程、ドアを開けた時のナミの顔がちらつく。
快楽に彩られた顔。
そしてその時より尚扇情的な表情で自分を見つめるナミがいる。
手を止めることなどできなかった。
「や、ぁ・・・・・も、ゆるして・・・・じゃないとっ!」
その先は続かなかった。
ナミの腿に腰を強く挟まれる。変化に気づいた時にはそれはもう始まり、終わっていた。
最初の時と同様、いやそれ以上に強くナミの中に引き込まれていく。
内部の襞がそそげ立ち、渦をなしているようだった。
「く・・・・・うぅっ!!」
絡みついてくるナミの内部を抜け出したのと、勢いよく湯の中に精を放ったのはほぼ同時だった。
「んー、風が気持ちいい!」
水気をはらんだ風が火照った身体に心地よい。
ルフィの前でナミは風に身を躍らせながら天を見上げ、呟く。
「あぁ、今日は満月だったわ」
ルフィはその身体を強く抱きしめ、口元を耳に寄せる。
「ようやっと見つけたな」
「何を?」
ルフィに抱かれたまま、ナミは擽ったそうに首を捻る。
「約束の女を、さ」
そう言ってルフィは月を見上げる。
今宵の月は白く、鏡のように輝いている。
願わくば、この女の姿を写して届けて欲しい。
何処とも知れぬ男の居場所へ。
そんなことを思い、ルフィは静かに目を閉じた。
終
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