+裏書庫+
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now eating |
Date: 2004-05-11 (Tue) |
*"ラブ & イート"続き*
甘い香りと熱い瞳。
噛み砕いた梨はさっき貰ったものよりもずっと甘くビビには感じられた。
二人で両端から食べた梨は一口で姿を消し、次なる獲物を狙うルフィの唇は目の前にあるビビのそれを貪るように食んだ。
残された蜜を全て舐めとろうとしているのか、ルフィの舌はビビの口の中を無遠慮に掻き乱す。
「う・・・・・・んっ」
身を捩りながらも、艶を増すビビの声にルフィは唇を寄せたまま満足げに笑う。
「ちょっ、ルフィさん・・・・・苦しっ・・・・」
ルフィはビビの口に梨を放ると抗議を封じる。
「滅茶苦茶美味くねぇ? この梨」
楽しげにそう言うと、ルフィは指先で梨を押し込んでいく。
ビビの食べる速度はルフィの押す力に追いつかない。
「んんっ!」
目で止めるよう訴えてもルフィは聞かない。
口の中が甘い蜜で満たされていく。
何とか飲み込もうとしたその時、ルフィは指をビビの唇の間に潜り込ませる。
「んっ!」
飲みきれなかった蜜がルフィの指を伝って零れ落ちていく。
首筋から胸元を濡らしたビビは軽くルフィを睨む。
「もう、何でこんなことするの?」
「だってよ、ビビに触った食いモンって美味くなんだもん」
悪びれた風もなくルフィは笑う。
「何でできてんだ? お前」
不思議そうな顔で問われ、ビビも思わずつられて笑う。
「私って調味料か何かなの?」
「今から調べてやるさ」
ルフィはそう言って舌なめずりをした。
「あぁ・・・・・・・」
控えめな吐息とともに首を反らすと、長い水色の髪がさらりと流れた。
熱く濡れた舌が蜜の跡を辿り下りていく。
首筋から胸元へ。
ビビの首を舐めながらルフィは自分の上着を脱ぎ捨てる。
名残惜しげに肌を吸ってから口を離すと、ルフィはビビのシャツを引き上げ、脱がす。
恥ずかしそうに胸を隠すその腕を退けると、ルフィはまた蜜を舐め始める。
音もなく寄せては返す快感はビビを甘く酔わす。
そうして胸元に残っていた蜜をもすっかり舐めてしまうと、ルフィは物足りなそうな瞳でビビを見上げる。
ブラのカップに指をかけ、
「取って、これ」
ルフィの言葉にビビはゆるゆると両手を後ろにのばした。
「ここって何かの実みてぇだなぁ」
ルフィはビビの胸の先をしげしげと見つめながら呟く。
「やだ・・・・・・そんなに見ないで」
「・・・・・・じゃ、食う」
「・・・・・・え? あぁん!」
疑問を挟む余地を与えずルフィはその実を口に含む。
舌先でころころと転がせば、実はたちまちに硬くしこり、ビビはその都度大きく体を震わせる。
「お、硬くなったぞ」
ニヤリと見上げられ、ビビは頬を赤く染める。
丁度その時、ルフィのお腹が盛大な音をたてた。
「あー、メシの途中だったか」
腹を抑えながらルフィは思い出したように呟く。
「じゃ、ご飯食べましょ」
途方に暮れた風のルフィを見て、ビビはくすくすと笑いながら傍らに落ちたシャツに手を伸ばす。
ルフィはその手を掴むと、豪快に笑う。
「別に着ることねぇよ。どーせだから脱げ脱げ」
「ルフィさぁん・・・・・」
「何だ?」
困惑するビビの表情とは対照的にルフィの顔は晴れやかだ。
素っ裸でどんぶりの中身をかきこむルフィと。
辛うじてトレーでギリギリの線を守っているビビと。
「何でご飯食べるのに裸なのよぉ」
もっともな文句にもルフィは動じない。
「二人しかいねぇんだからいいだろ? 裸でメシ食うなんて滅多にできないぜ」
はた、とどんぶりから顔を上げ、ビビに尋ねる。
「お前もしかしてやったことある?」
「あ・り・ま・せ・ん!!」
即答するビビにルフィは安心したように顔をゆるませると結論づける。
「じゃ、やってみよう」
「きゃああああっ!!」
ルフィは器用にも足でビビのトレーを引っぺがした。
身を縮ませるビビに構うことなく、ルフィは変わらずマイペースである。
空になったどんぶりを置くと、
「お! イイこと考えた!!」
それを聞いたビビの周りに猛烈にイヤな予感が渦巻いた。
ルフィは目をキラキラさせている。
とんでもないことを考えているのは確かなのだが、何を考えているのか気にならないではない。
案外楽しかったり、気持ちがよかったりするからだ。
「それ食わして、俺に」
ルフィが指差したのは、夕食の残りのシチューだった。
思ったよりもまともな要求にビビは安心したような落胆したような複雑な思いを抱いた。
シチューの入った皿を持って、ビビは改めてルフィと向き合う。
すると胡座をかいて座るその中心で屹立するモノが否がおうにも目に入る。
どうにも目のやり場に困ったビビはルフィに訴える。
「あの・・・・それ・・・・何とか、ならない?」
目をそらしながら指差す先を見てルフィはガリガリと頭を掻く。
「何とかって・・・・元気ねぇ方がいいか?」
「・・・・・・・・そんなことは・・・ない・・・けど・・・・」
ごにょごにょとビビは言いよどむ。
確かに折角裸になってるのに無反応だったらもの凄く口惜しいというか悲しい気持ちになりそうだけど。
「よしゃ」
ルフィはビビの腰に両手をまわすと、ひょいと持ち上げる。
胡座の真中にビビを座らせると、纏めていた髪をとく。
ふわりとビビの髪が舞い、その身を覆う。
「ほら、これでいいだろ?」
確かに距離が縮まったことで、意識しなければルフィの下は目に入らない。
それに髪のおかげで裸の自分もそんなに気にはならなくなった。
笑顔でビビが頷くと、ルフィは嬉しそうにその口を大きく開けた。
「あ、ちょっと待って。スプーンがないの」
「いいよ、手で」
「・・・・・・え?」
ルフィは怪訝そうなビビの手をとると、その指先を皿の中に浸す。
大分冷めてしまったシチューはトロリと細い指に絡まる。
絶句したままのビビをよそに、ルフィはその指を自分の口の中に運ぶ。
「ん、やっぱ美味い」
ルフィが喜んだところでビビは我に返る。
「な、何で手で!?」
「言ったろ? ビビに触ったモンは美味く感じるって」
悪戯な笑みを見せて、ルフィは再び口を開けた。
ビビのすくった指を、ルフィは熱心に舐めていく。
ルフィの舌は貪欲で、すっかり味がしなくなるまでビビの指を離そうとはしない。
指の腹から付根まで何度も舌を這わせ、或いはすっかりと指を咥えて舐る。
「ん・・・・・・・・・」
くすぐったそうにビビが目を細めれば、ルフィはますます舌使いを大胆にする。
指の付根から股を舐められ、ビビは手を震わせる。
「あ・・・・・・や・・・・そんなとこ何もついてないわ」
ルフイはその手のひらに口をつけたまま、ビビを見つめる。
「うん・・・・何もなくても美味いみたいだ、お前」
「ルフイさん・・・・・・・」
指の隙間に見え隠れする、その瞳に吸いこまれてしまいそうだ。
求められる度に感じる、体ごと取り込まれてしまいそうな感覚。
ルフィはビビの手から皿を取ると床に置く。
そしてビビを床に寝かせると、その中心を割り開く。
反射的に閉じようとする脚を抑えつけ、ルフィは新たな蜜へと舌を伸ばす。
「や、あぁんっ・・・・・あっ、あっ、あぁんっ!!」
ルフィの舌が上下に振れる度、ビビの背が床を打つ。
「やっぱり美味いのはお前なんだな」
拭えど拭えど溢れてくる蜜。
ルフィはその湧き出口に口をつけると、ずうとそれを吸った。
「あぁ・・・・イヤ・・・そ、んな・・・・・」
うわ言のように呟くビビ。
「お前が出してんだぜ、舐めても舐めても・・・・」
ルフィはニヤリと笑うと、その中へ指を突き入れる。
「あぁっ・・・・は・・・」
熱い息を吐き出すビビの体をルフィは覆い隠す。
「蓋しちまってもイイか?」
堪えきれないようにコクコクと頷くビビをルフィは一息で貫いた。
「あー腹へった」
腕にビビの頭を乗せ、大の字で天井を見上げながらルフィは呟く。
「メシ、足んねぇなぁ」
「もう少ししたらナミさんがおかわり持ってきてくれるわよ」
「・・・・・そうなのか?」
尋ねられてビビはガバリと置き上がる。
うかうかしてるとナミが来てしまうのだった。
そこでビビはふと実験の結果について考え込む。
ルフィさんはご飯を食べて、私をご飯にして、結局私を食べちゃった?
結局どちらが勝ったのだろう。
ビビは首を捻る。よく分からない。
もういいや、とビビは直接本人に聞いてみる。
「ねぇねぇ、ルフィさん。私かご飯かどっちかって言われたらどうする?」
「そんなの決まってるさ」
事も無げにルフィは答える。
「メシのついたビビ」
そう言ってニカっと笑うと、唖然とするビビの手にリンゴを乗せる。
「なぁ、次はこれ乗せて食うか?」
これがノックの鳴る前の出来事。
終
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