■ メイド服 <ゾロナミ>



薄暗い森の中で、白刃が閃く。ただの一振りに見えた斬撃の後、足を止めた剣士は刀を鞘に納めた。キン、と透明な音をたてて刀身が姿を消すのと、剣士を取り巻いていた男達が崩れ落ちたのは、ほぼ同時だった。
剣士は、無様に倒れ伏す男達をつまらなそうに眺める。どうせ夜盗、山賊の類だろうが、何とも歯ごたえのない。小さく息を吐き、剣士は視線を動かした。
「大丈夫か? 爺さん」
近くの木の根元で尻餅をついていた小柄な老人に、剣士は声をかけた。
こくこくと頭を縦に振った後、老人はぎくしゃくと立ち上がった。
「すまんの。兄さん」
「大丈夫そうだな」
そう言い残して立ち去ろうとする剣士を老人は呼び止めた。
「礼ぐらいさせて下され」
「いらねェよ。ただの成り行きだ」
そう言った後、剣士はあぁ、と思いついたように口を開いた。
「礼はいらねェが、道を教えて欲しい。街はどっちだ?」
剣士の問いかけに目を丸くした後、老人は相好を崩す。
「街なら、いまお前さんが行こうとしたのと丁度逆じゃよ」
ほっほっ、と笑いながら、老人は剣士に背を向けると、背後に忍ばせていた白い布袋を開け、中をひっ掻き回した。
「欲のない男だの・・・・・・面白い。気に入った。お主に、ワシのとっときの宝をやろう」


「・・・・・・で、コレ?」
肩透かしを食らったようにナミは脱力して、ゾロから手渡された"宝"に目をやった。
ああ、とこれまた気のない返事をして、ゾロは宿のベッドにごろりと寝転んだ。
「もっとイイもの貰ってくれればいいのにー」
不満そうなナミが目の前に広げた"宝"。それはクラシックな型のメイド服だった。
「文句は爺さんに言ってくれ」
「まぁ、アンタがこれ抱えてここまで戻ってきたってのを考えると笑えるけど」
服のあちこちに皺が付いている。よほどくしゃくしゃに丸めて持ってきたようだ。恥ずかしいなら途中で捨てればいいものを、礼にと貰った為にそうすることもできなかったのだろう。
「うるせェよ」
妙なところで義理堅い男は、くすくすと笑うナミを睨みつけてから、面白くもなさそうに目を閉じた。

まどろみの中で、微かな衣擦れの音が聞こえてくる。さらさらと耳に心地よいその音に更に深く眠りの中へ落ちようとしたところで何度も肩を突かれ、ゾロは煩わしそうに瞼を強く瞑った。
「ゾロ! ねぇ、起きて見て見て!!」
「・・・・・あんだよ」
顔を顰め、薄く開けた目は、目の前のナミの姿を見て大きく見開かれた。

濃いブラウンの細身のワンピース。丈の長いスカートと同じくらいの長さの白いエプロンの裾には大き目のフリルが飾りつけられている。同じようなフリルの付いたカチューシャと、大きな襟元、袖の白が眩しかった。
「これって結構いい素材使ってるわよ」
唖然とした顔で見つめるゾロの前で、ナミは右手でつるりと胸元を撫でた。飾り気のない胸元が妙に艶かしい。無言のままごくりと喉を鳴らしたゾロに、ナミは唇を尖らせた。
「何よー! 似合うとか似合わないとか何とか言いなさいよ」
「・・・・いや、似あわねェ・・・ことは・・・ねェんじゃ・・・ねェかと」
もごもごと徐々に尻すぼみになっていくゾロに苦笑を向け、ナミはゾロに背を向けるようにしてベッドに腰かけた。
「ね、背中のファスナー上げてくれる?」
見れば、衿のほんの手前でファスナーが止まっていた。
ゾロはむくりと起き上がり、小さな金具に手を伸ばす。引き上げようとしたその手がはた、と止まった。

別れ際の老人の言葉が不意に蘇る。
「それを着た女は、身に着けている間は例外なくお主の下僕となる。脱げば着ていた間のことは全て忘れる。面白かろう?・・・・・・どう使うかはお前さん次第じゃ」
――――――まさか、な。
本気にするのも馬鹿馬鹿しい。どうせ年寄りの戯言だ。

「どうかした?」
「いや・・・何でもねェ」
一瞬でも躊躇った自分を愚かしく思いながら、ゾロはファスナーを上げた。
「ありがと。折角だから皆にも見せてこようかなー」
ナミの様子にはいささかも変化がない。
それを残念に思う自分に思わず苦笑したゾロの前で、ナミは立ち上がろうとした。
「サンジ君何て言うかし―――――」
途切れた言葉。眩暈でも起こしたように、ナミはふらりと後ろに倒れこむ。ゾロが慌ててその背を支えた。顔を覗き込めば、ナミは目を閉じたまま動かない。
「ナミっ!? おい、どうした!! ナミっ!?」
頬を軽く叩くと、長い睫毛が微かに震え、やがてゆっくりと開いた。ゾロは安堵したように大きく息を吐いた。
「何だよ、てめェ・・・・脅かしやがって」
焦点の合わぬようなぼんやりとした瞳でナミはゾロを見つめる。無言のまま、ゾロの前で居住まいを正すと、にっこりと微笑んで口を開いた。
「貴方が私のご主人様なのですね?」
「・・・・・・・あ?」
呆気にとられたゾロの前で、ナミは深々と頭を下げた。


「ナミ」
「何でしょう? ご主人様」
打てば響く返事で、ナミは笑みを浮かべる。
やりずれェ。
ベッドに腰掛けたまま、ゾロは頭を抱えた。何かというと突っかかってくる女がこうも豹変してしまうとは。
「お加減でも優れませんか? ご主人様」
ナミはゾロの傍で身を屈めると、心配そうにその顔を見上げた。
「お薬! お医者様!!」
そう言って立ち上がったナミの手をゾロは掴んだ。
「大丈夫だ。具合は悪くねェよ」
「よかった」
安心したように無垢な笑みを見せる目の前の女に、ゾロの胸が静かにざわめいた。
例外なく、お主の下僕となる――
老人のその言葉が、何度も頭の中で反響する。
「お前は・・・・俺のものなのか?」
ナミは片手を胸にあて、微笑を浮かべながら躊躇うことなく答える。
「私はご主人様のものです。この身も心も全て」
「そうか――」
ゾロは薄い笑みをその唇に浮かべ、ナミの手を引いた。


「んっ・・・・・・・・」
ゾロの脚の合間に跪いたナミが、猛々しく天井を向くペニスの裏側をねっとりと舐め上げた。
太い幹を這う舌がピンと張った筋にたどり着くと、ナミは顔を傾ける。ペニスを横に咥えた格好で舌をあてがったまま、顔をゆっくりと左右に振った。
「く・・・・・」
敏感なラインを、ざらりとした感触が撫ぜていく。ベッドに下ろした腰が意図せず跳ね、スプリングをぎしりと軋ませた。
「いかがですか? ご主人様」
ペニスから唇を離し、真剣な顔でナミが尋ねる。ゾロは答える間も惜しむようにその頭に手をかけ、引き寄せる。
「・・・・続けろ」
引き寄せられるまま、ナミは大きく口を開き、その中にペニスの先端を迎え入れる。二度、三度と浅く先端だけを愛撫した後、すうと大きく息を吸い、ナミは一気に限界まで深くペニスを吸い込んだ。
先端が上顎の凹凸を掠め、ゾロの背に重い刺激を走らせる。中身を搾り出そうとでもするようにきつく締めながら、擦り上げる舌と唇の動きに、ゾロはギリと奥歯を噛み締めた。
やべ・・・・出ちまう。
突如として湧き上がった射精感はあっと言う間にゾロの全神経を支配する。
「ナミ・・・・離れろ」
その言葉に、ナミは素直に唇を離した。
「よろしいのですか? 本当に」
「何・・・?」
呻くように問い返したゾロに、ナミは微笑を向けた。
「本当に、ご主人様がなさりたいことをお言いつけ下さい」
心の底にある欲望を見透かすようなナミの言葉に、ゾロが目を見張る。
俺が、したいこと。ナミに、させたいと願っていること―――
喉がやけに乾く。口の中に溜まった唾をごくりと飲み下し、ゾロは己の中の欲望を口にした。
「・・・・・・続けてくれ・・・最後まで」
「承知いたしました。ご主人様」
心得たように微笑み、ナミは顔を俯けると、再びペニスを口に含む。一心に顔を上下させると、可憐な唇の中からじゅぼじゅぼと卑猥な水音があがる。
「っ・・・・出る、っ!」
切羽詰ったゾロの声に合わせて、ナミは咥える唇に一層の力を込めてペニスを扱く。間もなく、その唇にどくりと震えが伝わった。
「ん・・・う」
熱い飛沫と男の匂いが一気に口の中に広がる。
それを少しずつ飲み下しながら、続けざまに小刻みに震えるペニスを宥めるように、ナミはやんわりと唇を動かしていく。先端だけを口に含んだ状態で、ナミは最後に一度強くそこを吸い上げた。
「う・・・・あ」
残りの精液を吸い出される快感に、ゾロが堪らずに呻いた。
息を荒げるゾロの前で、ナミが完全に精を放ち終えたペニスから唇を離す。つ、と口の端から零れた白い液体を指先で拭うと、ナミは愛しげにその指先を舐めた。
「いかがでした?」
微笑む顔は既に平静そのもので、ついさっきまで男のものを咥え込んでいた女とは思えない。多少の気恥ずかしさを感じながらも、ゾロは頷く。
「ああ・・・・よかった」
「・・・・嬉しい」
「次は、お前の番だ」

ベッドに仰向けになると、ゾロは傍らにナミを招いた。ゾロの顔の脇にナミは膝をついて、大人しく次の指示を待っている。 だが、ゾロは無言のまま右手を長いスカートの中に潜り込ませた。滑らかな脚の表面を、大きな手のひらが上っていく。
その指先が、突き当りの柔らかな肉に触れた。
そこを包む薄い布の中に指を差し込めば、そこはじっとりと温かく湿っている。
「濡れてんな」
ゾロの言葉に、ナミはこくりと頷く。いつものナミであれば、そんなことはないと散々噛みついてくるものだが。
「これ、脱げよ」
言われるがまま、ナミは片手を自らのスカートの中に入れ、もぞもぞと動かす。やがて、引き出した手にはくしゃりと丸まったショーツが握られていた。ナミはそれをポトリと床に落とす。
「前、開けて見せろ」
ナミの両手がスカートの裾にかかり、ゆっくりとそれを引き上げていく。ゾロの前に、形のよい両の脚とその上に息づく淡い恥毛をナミは自らの手で晒した。
「そのまま、こっち来いよ」
ゾロは指で自分の顔の前を示した。ナミが膝を進めるたびに、スプリングが僅かに軋む音をたてる。
シーツに触れる金のピアス。そのすぐ脇にナミが膝をつく。ゾロの顔を跨ぐように脚を広げ、ナミは静かに男の目を見下ろした。
「いい眺めだ」
そう言ってゾロは右手でざらりと恥毛を撫でた。
「たまんねェ」
その手がナミの尻に回り、ぐいとナミの身体を押し下げる。抵抗もなく近づいてくるナミの秘所に、ゾロはその唇を埋め込んだ。
ゾロの顎が動く度に、ぴしゃぴしゃと水の跳ねる音が響く。秘唇の合間で、ゾロの舌は遠慮なくナミの襞を貪っていた。
震える手が、思わずスカートの裾を取り落とす。ぱさりという音と共に、ゾロの視界が薄暗い闇に包まれた。
「丁度いい・・・・もっとよくしてやる。自分の指で広げてみろ」
言い終わると、左右から僅かな光が漏れ入り、細い指が自らの秘部を押し広げていくのが分かった。
「それでいい」
ゾロはナミの人差指の合間に舌を伸ばす。その舌先が広げられ、露出したクリトリスにあたる。
「ああぁっっっ!!」
ビクリと跳ねて遠ざかる腿を、ゾロの手が押さえ込む。
「ここが、イイのか?」
「・・・・はい・・・・んっ、ああっ!」
硬く、充血し始めたそこを舌先で救い上げ、転がせば、ナミは息を吸う間もないほどに乱れていく。
「言えよ・・・・どんな感じだ?」
「痺れて・・・・・あぁ・・・蕩けちゃい、そう・・・・です」
「なら、こんなんはどうだ?」
ゾロは強く押し付けた唇で、じゅうと強くそこを吸った。
「ああぁっ!! それっ・・・・凄い・・・凄い・・・イイっ!」
「だろうな」
蜜を吐き続けるナミの穴に指を差し込めば、そこは物欲しげにひくつきながらゾロの指を引き込もうと動く。
「指じゃ、足りなそうだな」
「あぁ・・・はい。・・・・・もっと・・・・ご主人様・・・・ご主人様のが欲しい・・・です」
「そうか、よ」
べっとりと濡れた唇を拭い、ゾロはニヤと目を細めた。
「だったら自分で挿れてみせろよ」

「あ・・・・あぁ・・・・入って・・・きます」
服を脱ぎ捨てたゾロの腹に両手をついたナミが、身を震わせ、吐息を零しながらじわりじわりと身を沈めていく。
「・・・入っ・・・・・た」
ゾロとナミの間の距離がなくなると、ナミはそう呟いて大きな溜息をついた。その後を追うようにゾロも濡れた息を一つ吐き出した。
「前、開けて見せろ」
ゾロの腰の辺りに広がっているスカートの端を、ナミは持ち上げる。
「そのまま手を後ろについてみろ」
ゾロの言うがままにナミの身体は動く。ナミは持っていたスカートの端を口に咥え、ゾロの脚の上で両手をそろそろと動かす。ナミが両の手でゾロの足首を掴むと、自然と身体を大きく開く格好となり、深く繋がったその場所が何一つ遮るものなく、ゾロの視線の前に顕かとなった。
「動いてみろ、よ」
余りにも煽情的な眺めに、ゾロの声が掠れた。
ゾロの足首を掴んだまま、ナミはその身体をゆっくりと前後に揺すり始めた。どろどろに溶けた女性器の中から、濡れて光るペニスが吐き出されてはまた飲み込まれる。その様はまるで、ぺにすがナミの体内から生えてきたかのような淫らな錯覚をゾロに起こさせた。
「・・・ん・・・・う・・・・・うぅっ・・・・」
ゾロの先端が天井の襞を掠めるたびに、ナミは布を挟んだ唇を何度も噛み締め、くもぐった悩ましい声をあげる。
形のよい尻がゾロの腿の上を滑るたびに、ずちゃずちゃと粘り気のある水音が湧き起こった。
「ナミ・・・・」
呼ぶ声に、ナミは上気した顔をゾロに向ける。
「悪ィな・・・・・我慢できなくなっちまった」
ゾロはナミを乗せたままで、やおら上体を起こすと、スカートの下、ナミの両膝の下に腕を入れて一気に抱え上げる。
悪戯心を起こして、抱えた力を不意に抜けば、ナミの身体に埋め込まれたペニスは更に深くその身体を貫いた。
「・・・・・ひっ!・・・・・く」
その衝撃に、ナミは引き攣るように息を吸う。パサリとスカートが落ち、繋がった部分を覆い隠した。仕掛けた方の、ゾロもまた予想以上の快楽をその身に受け、眉根を寄せてその刺激をやり過ごした。
「どうした? ナミ」
ふるふると震わせる顔を、ゾロはわざとらしい口調でそう尋ねた。
「奥に・・・・・当たって・・・・・・あああっ!!」
皆まで言わせることなく、ゾロは乱暴なまでの力強さでナミを上下に揺さぶった。
「あぁっ! ・・・・そんなにされたら・・・・私・・・・わ、たしっ!!」
「どうした?」
深く貫く度に、先端に感じる壁をも突き破る勢いで、ゾロはナミを揺する。
「イッちゃう・・・・イッちゃい、ます・・・・・んうっ!!」
切羽詰ったナミの声に、ゾロの身体は強く反応する。
「あぁっ、イきそうっ!!」
「イけ、よ」
ゾロの肩に置いたナミの両手が大きく震える。
「ご主人様・・・も、一緒に・・・・・ご主人様っ、ご主人様ぁぁぁっ!!」
ゾロ、と甘くそして熱っぽく呼ぶ声が不意に耳の奥にに聞えこた。そんな気がした。
違う。
・・・・違う。
身体の中で何かが叫ぶ。すると、急激に高まっていた筈の射精感は、何故かそこで霧散した。
限界に達したナミの全身が、大きくそして小さくわななく。ゾロを締めつける体内も同じ動きをした。いつもであれば気が遠くなるほどの快楽を、今のゾロは感じることができなかった。

「ご主人様―――」
荒げた息が徐々に収まると、ナミは悲しげな表情をゾロに向けた。
「私ではご満足頂けませんか?」
「んなこたァねェよ」
ゾロは苦笑を浮かべながら、ナミの纏っている衣装を見る。世のどんな女でも意のままにすることができる不可思議な服。
確かに大した宝だよ。
だが。
瞳をやわらげ、ゾロはナミの頬に手をあてた。
「いい女だな、お前」
欲望を煽る肢体に従順な心。男の持つ願望の全てを叶えるだろう女が目の前にいる。
それでも。
ゾロの手がナミの頬から胸元へ落ちる。
「どうやら俺が惚れてんのは、別な女らしい」
そう言うと、ゾロは両手で胸元の布地を思い切り引き裂いた。
目を見張り硬直したナミに構わず、下着ごとナミの身から引き剥がしていく。上半身から続く裂け目は、あっという間にスカートへと及んだ。
シーツの上にブラウンと白の布切れが散乱している。その只中で、一糸纏わぬナミは瞬き一つせずに、繋がったままのゾロの顔を見つめている。
やがて虚ろだったその目に光が戻る。ナミはパチパチと二度瞬きをした後、口を開いた。
「あ・・・・・? 私・・・・・・?」
至近距離にあるゾロの顔を、ナミは不思議そうに見つめる。
「・・・・・・・・・ゾ、ロ?」
名を呼ぶその声が、ゾロには何故か酷く懐かしく感じられた。
戸惑いを隠しきれないまま、ナミの瞳がふと下に向かった。その視線の先でふるりと裸の胸が揺れる。
「・・・・・えっ!? ・・・・・なっっ!?」
視線は更に下へと向かう。隙間などない位に深く繋がったその箇所を目にした途端、大きな瞳が更に見開かれた。
「ちょっ!!? ・・・・・なっ!・・・・何でこんなことになってんのよっ!!?」
混乱したまま、ナミは両の拳でぽかぽかとゾロの胸板を叩きながら、身をよじり、離れようとした。
その動きで、濡れた襞をこそぎながらゾロがずるりと抜けていく。
「んっ、ああああああああっ!!」
ナミ自身に自覚はなくとも、達したばかりの敏感な身体には過ぎた刺激に、ナミは恐ろしく甘い悲鳴を放った。
己の中の雄の本能を呼び覚ますその声は、ゾロの下腹の辺りを熱く、そして切なく疼かせる。
ゾロは暴れるナミを抱きすくめると、その身体をベッドに押し倒す。その勢いのまま、一層に力強く反り返ったペニスをもう一度ナミの中深くに突き入れた。
ナミは喉を大きく反らし、声にならない悲鳴をあげた。
「やだ・・・っ、ゾロォ・・・・抜い、て・・・・ああっ!!」
ナミの言うとおりに、ゾロが腰を浮かせる。抜ける一歩手前で、ゾロは意地の悪い笑みをナミに落とした。
「いいのか? 本当に抜いて」
「――――――――――っ!!」
返答に詰まったナミが熱を帯びた目でゾロを睨みつけた。
理性と本能の狭間で揺れる瞳がこの上なくゾロを昂ぶらせる。
怒りに羞恥にそして快楽にとめまぐるしく色を変える。生気に満ちたその瞳に惹かれて止まない。
ゾロ動くにつれ、引き結んだ唇は艶かしく綻んでいく。
「ね・・・・ちょっと・・・待って・・・てば、あぁっ!」
こんなにも濡れた身体をしながら、まだ堕ちきらない。
「待たねェよ」
だからこそ余計に手に入れたくなるのか。
度し難い感情に内心で苦笑しながら、いまだ抵抗の言葉を紡ぐその唇を、ゾロは自らの唇で強く塞いだ。


costume request 真牙様


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